コラム

積算見積のしくみを見直すことで資材価格の高騰に対応できる可能性があります

建設資材の高騰は留まるところを知らず、建設物価調査会のレポートでも継続する見通しが示されています。いつまで高騰を続けるのか不透明な状況ではありますが、容易に好転しないことだけは想像できます。厳しい経済環境で生き抜くためには、価格変動への備えと同時に社内の体制を見直し、利益を確保できる体質に生まれ変わる必要があります。価格変動の兆候を理解する方法と利益確保のポイントを解説します。

目次
-建設資材の価格高騰が止まらない
-価格高騰の原因と価格変動の構造を理解しよう
(1)多方面に影響する原油高
(2)国際情勢の影響
-変動を予測できても対策につながらない場合も
-利益確保の3ステップ「見積」「実行予算」「原価管理」
(1)積算見積
(2)実行予算
(3)原価管理
--価格高騰に向き合うことで経営力アップに!

建設資材の価格高騰が止まらない

建設物価調査会が発表した建設物価調査レポートによると、2022月7月の建設資材物価指数は、建設総合全国平均が前月比1.4ポイント増加(134.1)し、最高値を更新しています。すなわち建設資材は、2020年8月から24ヶ月連続、実に2年間に渡って上昇を続けている訳です。
特にウクライナ侵攻を境に上昇率は跳ね上がっています。鉄鉱石、鉄スクラップ、原油などの急騰、これらを受けた景気後退の懸念、中国ロックダウンによる内需縮小などの影響が、建設資材の原材料の動向を直撃した形です。
さらに同レポートでは、原材料価格の影響が大きい一次製品から二次製品への価格転嫁が進んでおり、未だコストアップ分を吸収しきれず、値上げ交渉を継続している資材が多いため、8月以降も上昇は続くという見通しが示されています。

建設物価データを見積作成に活用している会社は多いですが、このようなレポートも参考にされるとよいと思います。建設業に特化した市場分析は、見積作成時だけでなく、経営判断の前提としても有用な情報と言えます。

出典:建設資材物価指数、最高値を更新(一般財団法人建設物価調査会)

<ここまでのポイント>
・建設物価調査レポートでは8月以降も上昇は続くという見通し
・建設物価データは見積作成の基準データとしてだけでなく、市場分析にも役立っている


情報提供:石田データサービス株式会社

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